歯髄(歯の神経)は歯の心臓部

歯の神経を蘇らせる新たな選択肢があります

~生涯自分の歯で、美味しく楽しく過ごすために~

歯髄(歯の神経) とは?

               

歯髄は細かい血管や神経、リンパ管などが集まった組織。
私たちの歯の中心部に存在しています。

歯髄は歯の内部に存在するため、実際目にすることは少ないですが、薄ピンク色の柔らかい組織です。

歯に栄養や水分を供給したり、虫歯による痛みを伝える特徴を持つことから、
「歯の心臓」や「歯の神経」とも呼ばれています。

                       歯の神経
アエラスバイオ

(アエラスバイオ株式会社HPより)

歯髄(歯の神経) の機能と役割

普段あまり見聞きしない歯髄ですが、どのような働きを担っているかご存知でしょうか?

1
歯に栄養分や水分を供給し、
歯を白く丈夫に保つ

歯髄は血管を通して、歯全体に栄養分・水分を供給しています。そのおかげで、私たちの歯は丈夫に保たれています。

また、栄養が行き渡らないと歯が黄色や茶色、灰色に変色しやすくなりますが、 栄養供給を行う歯髄の働きにより変色が防がれ、白く健康的な見た目が維持されています。

                       歯の神経
                       歯が痛い
2
痛みを伝え、虫歯や歯周病の発見を助ける

歯髄は、神経を通して歯のトラブルによる痛みを私たちに伝えています。

この機能により、虫歯や歯周病などの異常にいち早く気付くことができ、結果的に歯を長持ちすることに繋がります。

3
細菌感染への抵抗力を持ち、
虫歯の進行を防ぐ 

歯髄組織内の血液やリンパ液の働きで、歯の内部への細菌の侵入が予防されています。
この機能は、初期虫歯進行の抑制につながっています。

                       虫歯
                       象牙質
4
傷ついた歯の組織(象牙質など)を
修復し、歯に強度を与える

歯髄は、その外側にある象牙質と呼ばれる硬組織の傷を修復する力を持ちます。

この機能により、象牙質の厚さを保ち、歯髄自身の血管や神経などを保護しています。

5
歯の内部でクッションの役割を果たし、
歯と歯茎への衝撃を防ぐ

歯髄は、エナメル質や象牙質などの硬組織に囲まれた柔らかい組織です。

食べ物を食べたとき、歯の内部にある歯髄がクッションの役割を果たすことで、歯や歯茎に過剰な力が加わることを防ぎます。

                       クッション

歯の内部に隠れて目立たない歯髄ですが、このように様々な役割を持ち、私たちの生活を陰で支えているのです。

歯髄を除去(抜髄)するリスクについて

私たちの歯から歯髄が無くなると...

根から栄養や水分が送られる生きた木は、強い力を加えてもなかなか折れません。
しかし、枯れた木はそれらの供給が失われてもろくなり、力が加わると折れてしまいます。

歯髄を失った歯も木と同じように、上に挙げた機能が失われて枯れ木のようなもろい状態になり、歯が折れるリスクが高まることが知られています。

歯髄を失うと、前歯で1.8倍、奥歯で7.4倍も歯が折れるリスクが高まるという調査結果があります。
Caplan DJ, Cai J, Yin G, White BA
Root canal filled versus non-root canal filled teeth : a retrospective comparison of survival times.
J Public Health Dent 2005; 65(2): 90-96)
                       折れた木
                       割れた歯
歯髄除去した歯の生存年数について

特に、歯の根が折れてしまう(歯根破折)と、抜歯になる可能性が非常に高くなります。

歯髄を失った歯の生存年数は約5~30年といわれており、例えば30歳で歯髄を失うと、35~60歳程度で抜歯に至る確率が高いということになります。

リピート・レストレーション・サイクル

以下の図は「リピート・レストレーション・サイクル」と呼ばれる歯のライフサイクルを表したもので、歯の修復治療(レストレーション)を繰り返し(リピート)、抜歯に至るまでの一連の流れを示しています。

                       リピート・レストレーション・サイクル

① 虫歯の無い健全な歯

② 健全な歯が虫歯になる

③ 虫歯を削り詰め物をする(修復治療)
(③ 修復治療を繰り返す) 

④ 虫歯が歯髄に達する

⑤ 歯髄を除去する(抜髄)

⑥ 人工物を充填し、被せ物などの補綴を行う

⑦ さらなる虫歯の進行や、破折
(歯が折れること)が起こる

⑧ 抜歯に至る

歯髄壊死や抜髄に至るケースの例

歯の健康を守るためには、歯髄を健全に保ち、”リピート・レストレーション・サイクル”の進行を防ぐことが重要になります。

しかし、                            

  • 虫歯が進行して歯髄に到達してしまった(歯髄炎)
  • 転んで口から地面に倒れてしまった
  • スポーツで歯を強くぶつけてしまった
  • 矯正治療の際、歯に大きな負荷がかかってしまった
                           

このようなことが原因で、歯髄が壊死してしまう、歯髄を取り除くこと(抜髄)になってしまう事例が、毎年多く発生しているのが現状です。

                           転んだ

よく用いられる歯の治療方法について

上記のように、歯髄炎や外傷などによって歯髄の一部または全部の機能が失われた場合、
これまでは以下の2種類の治療法が主に用いられてきました。

① 抜髄+
根管充填(人工物充填)

概要

虫歯が神経に到達するくらい拡大している場合、または外傷等により歯髄全体が壊死してしまった場合などに行われる治療法です。
抜髄を行ったのち、「ガッタパーチャ」と呼ばれるゴム状の樹脂で根管(歯髄が存在する管)を埋め、歯を補強するとともに細菌の増殖を防ぎます。

                   抜髄

メリット

  • 抜髄により神経組織を失うため、痛みがなくなる
  • 感染した歯髄を除去し、感染拡大を防げる

(※治療後の経過には個人差があります。)

注意点

  • 抜髄により、歯髄本来が持つ栄養供給能力や細菌への抵抗力、組織修復能力などが失われる
  • 歯の強度が低下してもろくなり、折れるリスク・抜歯リスクが高まる
  • 歯が変色する場合がある
  • 痛みを感じないため、再度虫歯が進行した際に気づけない
② 歯髄温存療法
(歯髄保存療法・間接覆髄法)

概要

虫歯が歯髄に達して進行している場合でも、極力歯髄を抜かず、感染した部分のみを取り除く治療法です。
虫歯が進行している歯質部分・歯髄部分を除去し、「MTAセメント」と呼ばれる抗菌性の薬剤を用いて削った部分を封鎖します。

歯髄温存

メリット

  • 生きた歯髄を残すことができるため、歯への栄養供給や細菌抵抗力、組織修復能力を失わずに済む
  • 歯の強度を保つことができ、抜歯リスクも抑制できる

(※治療後の経過には個人差があります。)

注意点

  • 虫歯(う蝕)が進行している歯(C3~)は治療対象外となることが多い
  • すでに歯髄全体が壊死している場合や、抜髄した後などは本治療の適用が困難
  • 加齢とともに成功率が下がる傾向にある
  • 保険適用でない

これまで「一度失われた歯髄組織は元に戻らず、抜髄後は何十年も強度の落ちた歯で生活を続けるしかない」
と考えられてきました。

しかし2020年、 私たちの歯の細胞を利用して失われた歯髄組織を再生させる治療法が開発され、
少しずつ国内に広まっています。

歯髄再生治療

"歯髄幹細胞"の力を活用した新たな治療法

歯髄組織には、神経や血管および組織を再生させるはたらきを持った
「歯髄幹細胞」が含まれています。

歯髄再生治療は、この歯髄幹細胞の力を利用して、失われた歯髄組織を再生させる治療法です。

噛み合わせに影響しない歯(親知らずや乳歯など)から採取・培養加工した歯髄幹細胞を、抜髄・除菌をおこなった歯の根管内に移植し、歯髄を再生させます。

                       歯髄再生

STEP1

噛み合わせに
影響しない歯の抜歯

                       抜歯

STEP2

抜歯した歯から
歯髄幹細胞を採取

                       歯髄幹細胞採取

STEP3

歯髄幹細胞を
培養して増やす

                       細胞培養

STEP4

歯髄幹細胞を
根管内に移植

                       細胞移植

メリット

  • 歯髄再生により、歯髄の機能(歯への栄養供給や細菌抵抗力、組織修復能力など)を回復させることができる
  • 抜髄により脆くなった歯の強度を高めることが可能
  • 歯が折れるリスクや抜歯リスクを低減できる

(※治療後の経過には個人差があります。)

注意点

  • 噛み合わせに影響しない歯の抜歯が必要
  • 保険適用でない
  • (他の治療法と比較して)治療期間が長い
  • 細胞培養や組織再生がうまくいかない可能性がある

歯髄再生治療についてのご相談は、以下の施設 にお問い合わせください。

も人生100年時代

楽しく笑い、美味しく食事をするうえで、歯は重要な役割を果たします。
また、私たちの歯を強く丈夫に保ち、長持ちさせるうえで、歯髄は欠かせない存在と言えます。

人生100年時代、年齢を重ねても健康的な自分の歯を維持できるよう、歯髄を大切にしていきましょう。

               家族の笑顔

歯髄再生治療を提供する
歯科医院一覧

 
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